腹式呼吸でメラトニンが増加する

呼吸には「生きるための呼吸」と「セロトニンを出す呼吸」の2つがあります。「生きるための呼吸」は、生まれてから死ぬまでに睡眠中も休むことなく繰り返される呼吸で、吸気を中心とした呼吸で横隔膜によって行なわれます。

「セロトニンを出す呼吸」は、座禅やヨガ気功法などで行なわれる呼吸法で、腹筋を意識的に収縮させて吐く呼吸が中心になります。
セロトニンを分泌させるには、普段の「生きるための呼吸」では意味がありません。大切なのは、「セロトニンを出す呼吸」で、呼吸のリズムをとりながら腹筋を使ってゆっくりと最後まで肺のなかの空気を吐きだすことです。
吸気は「生きるための呼吸」に合わせて、自然にまかせてください。心臓の鼓動と呼吸は寝ているときもしていて、心臓は生きていくうえで最重要の臓器です。

心臓は意識的に鼓動を変えたりすることはできませんが、呼吸は意識的に変えることができるというもので、これが人間に与えられた素晴らしい機能です。したがって、この呼吸法を利用してセロトニン神経を活性化させてメラトニンの分泌を増やすというのは、人間だけに与えられた機能です。

メラトニンを減らしてしまう食べ物、飲み物は注意!

メラトニンを増やす食べ物もありますが、減らす食べ物もあります。メラトニンを減らすというのは、合成を妨げるということで、代表的なものにコーヒー、紅茶、緑茶などのカフェインとお酒、タバコがあります。

カフェインにはメラトニンの分泌を妨げる作用があります。さらに、タバコとお酒にもメラトニンを抑制する作用があるので、夕食後にコーヒーを飲んで、タバコを吸ってしまうとメラトニンの分泌はかなり抑えられてしまいます。もちろん、コーヒーを飲んでも眠れる人もいますが、質のよい睡眠がとれるかというとさだかではありません。
メラトニンの分泌が抑えられるので、からだの修復をしている徐波睡眠のときに良質な熟睡ができなくなるので、目覚めは悪くなるのは間違いありません。タバコは、健康にも睡眠にもよくありませんので、出来るだけ早くやめるべきでしょう。たばこをやめない理由はどこにも見つかりません。

日本の伝統食材は快眠に最適

日本人の食事は健康にもいいとして世界的なアーティストをはじめとして世界的にも認められていますが、現在は、日本人が反対に欧米化により日本人本来の食事をしなくなっています。

日本人の食生活の代表的なものは、ごはんにみそ汁、お新香、納豆、煮物、焼き魚、刺し身などで、それらにはメラトニンの原料になるトリプトファンが多く含まれています。
だから日本人は昔から睡眠にとっていい食べ物を日常的に食べていたわけです。ところが、現代人は肉食が多く、とくに霜降りなど脂がたっぷりのった牛肉やハンバーガー、焼き肉、フライドチキンなどがメインになってしまいました。

メタポリックシンドロームが叫ばれるなか、いまだに高カロリー食が人気を集めています。すくなくとも、1日に1食はごはんとみそ汁、お新香、魚などの主菜を摂る必要があります。それは睡眠にも健康にもかなったたものです。