長時間の昼寝はNG、夜眠れなく

休日になるとお昼くらいまで寝ていて、さらに昼食を食べてから昼寝をする人がいますが、こういう日に限って、夜になっても眠くならないので、深夜まで起きてしまうことになります。すると、翌日が寝不足になりブルーマンデーになる確率が高くなります。

では、なぜ昼寝をすると夜眠くならないのかといいますと、メラトニンはセロトニンからつくられるといいましたが、昼寝することによってメラトニンの材料であるセロトニンが準備されていないために、夜になってもメラトニンが分泌されずに眠くならなくなってしまいます。
のんびり休日を過ごしたいのであれば、昼寝をしてもいいですが、その後はかならずリズム運動をしなければなりません。そうすることで、メラトニンの原料であるセロトニンがたくさんつくられますので、夜になれば自然と眠くなってくるものです。
昼寝をする際の注意は、横にならない程度に体を休め短時間ですませることです。

運動不足がメラトニン不足をさらに悪化させる

最近、動物性脂肪の過剰摂取や運動不足による弊害が健康面に現れてきている人が急増しています。肥満の最大の原因は運動不足からくるもので、食べるだけ食べて運動しなければブロイラーのニワトリかフォアグラのカモのようになってしまいます。

初期の糖尿病の治療では当然食事療法を行ないますが、食事療法をしなくても毎日1時問以上早歩きすれば改善することもあります。ところが、現代人の生活環境は急速に移動が便利になり、意識しないと運動できなくなっています。
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運動を定期的にしないと体内時計に影響を及ぼし、また、セロトニンの分泌低下ひいてはメラトニンの分泌にも多大な影響を及ぼします。
したがって、定期的に運動していれば、健康状態がよくなるだけでなく、睡眠にもいい影響がでてきます。

運動不足が招く健康被害

  • 筋力が落ちるためスタミナがなくなる。
  • 血流が不十分になり抵抗力が落ち、病気にかかりやすくなる。
  • 肥満を助長させ、糖尿病に代表される生活習慣病の誘因となる。
  • 脳だけの活動により疲労のアンバランスが生じるため、睡眠をとっても休まらなくなる。
  • セロトニンの分泌が減り、うつ傾向になる

現代人の生活環境により運動不足を悪化させているといわれますが、

  • 電車やタクシーを使うことをすぐに考えずに、近距離の移動はできるだけ歩く。
  • なるべくエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用する。

など、日常生活の心がけで解消できることもあります。

コーヒー、たばこ、アルコールはNG

メラトニンの原料のトリプトファンをたくさん摂っても、噂好品でメラトニンの合成が阻害されるものがあります。それは、コーヒーや紅茶に含まれているカフェインです。寝る直前や前にコーヒーを飲むと眠れないという人がいますが、覚醒作用だけでなく、メラトニンの分泌を抑える働きがあります。

レストランで食後に飲むコーヒーは格別のものがありますが、朝昼晩と習慣的にコーヒーを飲んでいる人はメラトニンの合成が少なくなっていますので注意が必要です。また、アルコールは百薬の長といわれていますが、これもメラトニンを阻害しますので、寝しなに大量のお酒を飲むのは避けたほうがいいでしょう。

お酒は「百薬の長」か?[本当] | lie&true(本当、嘘)
https://www.lie-true.com/archives/170
適量を守れば百薬の長として立派な役割を果たします。

昨、今愛煙家には厳しい世の中になりましたが、メラトニンを阻害しますので不眠の方には特にNGです。

  • コーヒー
    コーヒー・紅茶に含まれるカフェインは眠りを浅くしてしまうので睡眠2 時間前には控えましょう。逆にミルクやハーブティーを飲むと眠りにつきやすくなります(1
  • たばこ
    タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があります。眠りに入りにくく、目覚めやすくなるといわれています。
  • お酒
    お酒で眠気が増強されることがありますが、アルコールによる睡眠では脳は休まりません。睡眠薬代わりにしてはいけません。

太陽光、リズム運動、トリプトファンの3つがメラトニン分泌には必要

メラトニンを分泌させるには、セロトニンを昼間にたくさん於果体に蓄えておかなければなりません。昼間はセロトニンを使って活動しているわけですから、日中にセロトニンが蓄積されるような生活をすればいいのです。そのためには、まずは「太陽の光」が大切です。昼問活動しているときに目から光が入って松果体にセロトニンが蓄えられると考えられます。

つぎに「リズム性の運動」ですが、リズム運動によって脳内のセロトニそン神経が活性化されるのです。ウォーキング、食事、ガムをかむなどの咀嚼はリズム運動ですからセロトニンにとって有効です。野球選手がガムをかんでいるのは、セロトニン神経を活性化させることで、精神の安定と集中力を得ているのではないかと思います。

最後に「トリプトファン」ですが、夕食でトリプトファンを多く含んでいる食べ物を摂ることで、セロトニンがつくられメラトニン合成の準備ができます。

ホットミルク | 毎日ぐっすり眠るためのノウハウ
https://sleep-guide.net/know-how/archives/89
でも紹介されているとおり、ミルクにはアミノ酸の一種であるトリプトファンが含まれています。よくナイトミルクと言われるように就寝前の牛乳は快眠を誘ってくれます。

  1. 「朝が来た!」と脳が認知し、からだを活動させる態勢にします。からだは太陽により覚曝されるので、すっきりと目覚められるようになります。また、直射ではなく、ガラス越しでも効果は変わりません。
  2. ウォーキングなどのリズム運動で、セロトニンを蓄積します。デスクワークの人はランチタイムや、休憩時間を外で過ごすようにして、できる限り外で過ごす時間を作りましょう。
  3. 日中に蓄積されたセロトニンがメラトニンを分泌します。明るい光を浴びると脳が覚醒してしまうので注意が必要です。

昼間、メラトニンの材料を蓄えておく

メラトニンはセロトニンから合成され、セロトニンはトリプトファンから合成されますが、ここでトリプトファンについてもう少し詳しく追加しましょう。トリプトファンは必須アミノ酸の1つで、食品からでしか摂取することができません。したがって、食事のときに少しでも多くトリプトファンを含んだ食べ物を摂ることで、セロトニンが合成され、メラトニンが合成されるわけです。

ほとんどのたんばく質系食品にはトリプトファンが含まれていますが、とくに多いのは大豆・豆腐・納豆などの大豆製品、レバー、マグロの赤身、チーズ・牛乳などの乳製品、お米です。トリプトファンを豊富に含んだ食べ物を摂ることで、夜にメラトニンを働かせるための環境を整えることができるのです。

深部体温を下げることがメラトニンの重要な働き

光の信号が網膜から入ることで松果体からメラトニンがホルモンとして分泌され、さまざまな機能に影響を与えます。なかでももっとも重要な働きは、深部体温を低下させて睡眠を誘発・維持することにあります。

深部体温というのは、からだの内部の温度で、個人差はありますが平均して37度で安定しています。ちなみに、脇の下で体温を測定すると、約1度程度低くなります。

深部体温がメラトニンの作用によって、0.5~1度下がると眠気を催してくるようになっています。メラトニンの分泌が最大になるのは、午前0時から午前2時で、明け方になるにつれて減少していきます。

5人に1人が不眠という時代

睡眠効果のあるメラトニン分泌を促すためには、目覚めに太陽の光を浴び、寝る前には照明を暗くするなどが重要なポイントになりますが、規則正しい生活リズムを心がけていても、快眠できない悩みを抱えている人はたくさんいます。とくに不眠症の人の割合は年々高くなっています。

では、不眠症とはどのような状態のことをいうのでしょう。不眠症とは、睡眠時問の長さにかかわらず、快眠・安眠いわゆる熟睡できていない状態が続き、身体や精神に不調が現れることです。「寝つきが悪い」「熟睡できない」などの症状 が慢性化している状態です。

これらの症状が長期にわたる場合は、専門医の治療を受けるのが望ましいでしょう。原因は、身体の不調、環境の変化、精神的ストレスなどさまざまです。これらの原因のなかでもとくに多いのが、精神的ストレスによって起こる不眠症です。

不眠症のタイプ

  • 入眠障害
    寝つきが悪くなかなか眠れない状態。ただし、一度眠りに入ると朝まで眠れる。
  • 中途覚醒
    眠りが浅く、すぐに目が覚めて、そのあともなかなか眠れない状態。
  • 早朝覚醒
    望ましい時刻より2~3時間早く目が覚め、そのまま眠れなくなってしまう状態。
  • 熟眠障害
    睡眠時間が足りていても、眠った気がしない状態。

不眠症と睡眠障害についてはこちら

ただし、こうした睡眠障害や不眠でかなり眠れない日が続いていてもこれまでと生活習慣を変えたり、寝る前に音楽を聞くなどがきっかけで、これまでの不眠が嘘だったかのように眠れるようになる場合もあります。特別な病気でないかぎり、体の緊張がときほぐれれば誰もが眠れるのです。

不眠症から抜け出すためには、不眠を誘発する身体的、または精神的病気の治療が先決です。そのうえで、薬による治療を行なうことになります。不眠は人それぞれ原因やタイプも違うため、薬の摂取については、医師と相談しながら治療を進めていかなければなりません。

最近では安全性が高く、依存性も少ない睡眠薬が多く開発されていますが、いずれにしても生活面での工夫は必要不可欠です。からだや心の状態を客観的に見つめなおし、リラックスして眠りやすい環境をつくるようにしましょう。

何より気をつけたいのは、眠れないことに集中して、逆に不眠にならないことです。不眠を解決するためには、眠りの時間ではなく質を高めることが大切なのです。目覚めが悪いと感じたときこそ、太陽の光を浴び、バランスのよい食事を摂るようにして、体内から分泌されるメラトニンを「天然の睡眠薬」として作用させるよう心がけましょう。

不眠の原因

  1. 身体の不調
    痛みやかゆみ、咳や喘息など、身体的不快によるもの。突然呼吸がしばらく止まってしまう睡眠時無呼吸症候群などもあげられる。原因となる病気を治療することが必要。
  2. 環境変化
    旅行先で時差がある場合に眠れなくなったり、場所や騒音、温度や明るさなど、睡眠環境の変化が原因によるもの。また、交代制勤務などによる生活リズムの変化よって起きる不眠。
  3. 精神的ストレス
    悩みやイライラ、精神的ショック、極度の緊張などからストレスが過剰になることで起こる。現代人に多く不眠の原因で一番多いといわれている。
  4. 精神的な病気
    精神的ストレスが大きくなり、うつ病などの精神疾患によるもの。うつ病と不眠は関係が深く、うつ病の症状の一つに不眠があげられる。心療内科などの専門医の治療を受けることが必要。
  5. 薬やアルコール
    薬の副作用やアルコール、カフェイン、タバコの摂取が原因によるもの。薬やアルコールは快眠にはいたらないが睡眠を誘発する場合もあり、慢性的になりやすいため悪循環となる。

メラトニンとセロトニンのバランスが不安定だと熟睡できない

メラトニンとセロトニンの分泌は陰陽の関係にあるので、どちらかが優位になっても本来の働きができません。最近は深夜まで起きている人が多くなっており、とくに、家に帰ってからパソコンやスマホでメールやゲームをしていると、光の情報が目から入り続けているので、体内時計の親時計である視交叉上核は、まだ寝る時間ではないと錯覚して、メラトニン分泌の指令をだせません。

。そうすると、さぁ寝ようかと思ってもなかなか寝つけないだけでなく、日中強烈な睡魔に襲われてしまいます。さらに慢性化すると、眠気だけではなく、頭痛、めまい、胃部不快感、下痢、便秘など社会生活に支障をきたすことが多くなります。
このような状態は、海外旅行に行っていないのに時差ボケになってしまうのと一緒のことです。毎日、地球の時間にからだを合わせることが健康的な生活の基本です。

セロトニン不足には「セロトアルファ」

自律神経に影響するセロトニン

自律神経というのは、交感神経と副交感神経の2つのバランスでなりたっていて、内臓や血管、呼吸などをコントロールしてからだのバランスを保つ役割の神経です。興奮すると血圧が上がるのも暑いときに汗をかくのも自律神経の働きです。

自律神経が不安定になってしまう病気を自律神経失調症といいますが、なりやすい体質というものがあります。

自律神経の2つの神経系のうち、交感神経は起きているときに優位になる神経で、とくに緊張状態のときにはかなり強くなります。一方、副交感神経はリラックスしているときや寝ているときに優位になる神経です。

自律神経というのは、外部からのなんらかの刺激によって、からだのバランスが崩れそうになったときに、からだの働きを正常に保つ働きがあります。セロトニンは、朝起きたときに交感神経の活動を活発にする働きがあります。夜になって、セロトニンの分泌が減り、メラトニンの分泌が増えると、リラックスの副交感神経が働きだすということになります。自律神経のバランスを崩す原因には、ストレスが大きく関わっています。

交感神経と副交感神経

副交感神経   交感神経
瞳孔縮小 瞳孔拡張
収縮 気管支 拡張
グリコーゲン合成 心臓 拍動促進
膵液分泌促進 膵臓 グリコーゲン分解
活動促進 活動抑制
降下 血圧 上昇

光の刺激が確実にメラトニン合成を促す

太陽の光がどのようにしてメラトニン合成を促すのでしょうか。網膜から入った光の刺激は網膜視床下部路を通って視交叉上核にいき、そこから視床下部室傍核を経由して頚椎から一度外にでて上頚部交感神経節にいきます。

上頚部交感神経節に入った光の信号は、交感神経節後線維を通って再び脳内に入り松果体にいきます。松果体の細胞には、βアドレナリン作動性受容体があるため、光の情報によって興奮するとN-アセチルセロトニンへの転移を促進させるので、メラトニンが活性化されるわけです。
したがって、日が沈むとメラトニンの合成が促進され、日が昇ると抑制されるというわけです。