太陽光、リズム運動、トリプトファンの3つがメラトニン分泌には必要

メラトニンを分泌させるには、セロトニンを昼間にたくさん於果体に蓄えておかなければなりません。昼間はセロトニンを使って活動しているわけですから、日中にセロトニンが蓄積されるような生活をすればいいのです。そのためには、まずは「太陽の光」が大切です。昼問活動しているときに目から光が入って松果体にセロトニンが蓄えられると考えられます。

つぎに「リズム性の運動」ですが、リズム運動によって脳内のセロトニそン神経が活性化されるのです。ウォーキング、食事、ガムをかむなどの咀嚼はリズム運動ですからセロトニンにとって有効です。野球選手がガムをかんでいるのは、セロトニン神経を活性化させることで、精神の安定と集中力を得ているのではないかと思います。

最後に「トリプトファン」ですが、夕食でトリプトファンを多く含んでいる食べ物を摂ることで、セロトニンがつくられメラトニン合成の準備ができます。

ホットミルク | 毎日ぐっすり眠るためのノウハウ
https://sleep-guide.net/know-how/archives/89
でも紹介されているとおり、ミルクにはアミノ酸の一種であるトリプトファンが含まれています。よくナイトミルクと言われるように就寝前の牛乳は快眠を誘ってくれます。

  1. 「朝が来た!」と脳が認知し、からだを活動させる態勢にします。からだは太陽により覚曝されるので、すっきりと目覚められるようになります。また、直射ではなく、ガラス越しでも効果は変わりません。
  2. ウォーキングなどのリズム運動で、セロトニンを蓄積します。デスクワークの人はランチタイムや、休憩時間を外で過ごすようにして、できる限り外で過ごす時間を作りましょう。
  3. 日中に蓄積されたセロトニンがメラトニンを分泌します。明るい光を浴びると脳が覚醒してしまうので注意が必要です。

昼間、メラトニンの材料を蓄えておく

メラトニンはセロトニンから合成され、セロトニンはトリプトファンから合成されますが、ここでトリプトファンについてもう少し詳しく追加しましょう。トリプトファンは必須アミノ酸の1つで、食品からでしか摂取することができません。したがって、食事のときに少しでも多くトリプトファンを含んだ食べ物を摂ることで、セロトニンが合成され、メラトニンが合成されるわけです。

ほとんどのたんばく質系食品にはトリプトファンが含まれていますが、とくに多いのは大豆・豆腐・納豆などの大豆製品、レバー、マグロの赤身、チーズ・牛乳などの乳製品、お米です。トリプトファンを豊富に含んだ食べ物を摂ることで、夜にメラトニンを働かせるための環境を整えることができるのです。

深部体温を下げることがメラトニンの重要な働き

光の信号が網膜から入ることで松果体からメラトニンがホルモンとして分泌され、さまざまな機能に影響を与えます。なかでももっとも重要な働きは、深部体温を低下させて睡眠を誘発・維持することにあります。

深部体温というのは、からだの内部の温度で、個人差はありますが平均して37度で安定しています。ちなみに、脇の下で体温を測定すると、約1度程度低くなります。

深部体温がメラトニンの作用によって、0.5~1度下がると眠気を催してくるようになっています。メラトニンの分泌が最大になるのは、午前0時から午前2時で、明け方になるにつれて減少していきます。