呼吸法は肺機能のアップよりもプラスアルファ重視

大きく息を吸って吐くという行為は肺のなかの空気を入れ替えるという意味もありますが、それよりもさらに大切なのは、心身を元気にさせるというプラスアルファの意味があります。一定のリズムにのっとった呼吸法はリズム運動の最たるもので、セロトニン神経を鍛える意味では欠かせないものです。

そういう意味からいうと、ガムをかむのは唾液の分泌をよくして消化機能を改善したり、歯を丈夫にするためではありません。あくまでも、咀嚼というリズム運動によってセロトニンを鍛えるというのが最大の目的です。呼吸法も同じように、きちんとした呼吸法を毎日実践することで、日々の活力が生まれてきますし、熟睡もできるようになります。
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腹式呼吸でメラトニンが増加する

呼吸には「生きるための呼吸」と「セロトニンを出す呼吸」の2つがあります。「生きるための呼吸」は、生まれてから死ぬまでに睡眠中も休むことなく繰り返される呼吸で、吸気を中心とした呼吸で横隔膜によって行なわれます。

「セロトニンを出す呼吸」は、座禅やヨガ気功法などで行なわれる呼吸法で、腹筋を意識的に収縮させて吐く呼吸が中心になります。
セロトニンを分泌させるには、普段の「生きるための呼吸」では意味がありません。大切なのは、「セロトニンを出す呼吸」で、呼吸のリズムをとりながら腹筋を使ってゆっくりと最後まで肺のなかの空気を吐きだすことです。
吸気は「生きるための呼吸」に合わせて、自然にまかせてください。心臓の鼓動と呼吸は寝ているときもしていて、心臓は生きていくうえで最重要の臓器です。

心臓は意識的に鼓動を変えたりすることはできませんが、呼吸は意識的に変えることができるというもので、これが人間に与えられた素晴らしい機能です。したがって、この呼吸法を利用してセロトニン神経を活性化させてメラトニンの分泌を増やすというのは、人間だけに与えられた機能です。

メラトニンを減らしてしまう食べ物、飲み物は注意!

メラトニンを増やす食べ物もありますが、減らす食べ物もあります。メラトニンを減らすというのは、合成を妨げるということで、代表的なものにコーヒー、紅茶、緑茶などのカフェインとお酒、タバコがあります。

カフェインにはメラトニンの分泌を妨げる作用があります。さらに、タバコとお酒にもメラトニンを抑制する作用があるので、夕食後にコーヒーを飲んで、タバコを吸ってしまうとメラトニンの分泌はかなり抑えられてしまいます。もちろん、コーヒーを飲んでも眠れる人もいますが、質のよい睡眠がとれるかというとさだかではありません。
メラトニンの分泌が抑えられるので、からだの修復をしている徐波睡眠のときに良質な熟睡ができなくなるので、目覚めは悪くなるのは間違いありません。タバコは、健康にも睡眠にもよくありませんので、出来るだけ早くやめるべきでしょう。たばこをやめない理由はどこにも見つかりません。